2008年2月15日
北沢洋子
2007年7月、ジュネーブで、国連の経済社会理事会(ECOSOC)は、ミレニアム開発ゴール(MDGs)の実現のための国連の機関として、UN開発協力フォーラムを立ち上げた。そして、ハイレベル(首脳あるいは閣僚級)会議を2年ごとに開くことになった。
その第1回会議は2008年7月、ニューヨークで開催することになった。そのための準備会議が今年の1月19-20日、カイロで開催された。これには、政府代表、国連機関、それに少数だがNGOが参加した。
第1回国連開発協力フォーラムは、今年9月、アクラで開催される。カイロの準備会議では、もっぱら「援助の効果」について議論された。その内容は、主として、開発融資の「コンディショナリティ」、つまり、IMFや世銀の構造調整プログラムなど、ドナーが途上国の押し付けるネオリベラルな経済政策をめぐる問題に議論が集中した。
「援助の効果」については、2005年3月、パリで開催されたハイレベルの国際会議で採択された「パリ宣言」にすでに盛られている。ここでは、新しい援助のパラダイムとして、「オーナーシィップ、調和、アラインメント、結果、相互アカウンタビリティ」の5原則に合意をみた。
しかし、これら5原則に対して、ドナーたちが途上国に押し付ける「コンディショナリィ」そのものが、「援助の効果」を妨げていると、カイロ会議に出席したフィリピンのIBONのトニイ・テュウアン代表は語った。
EURODADのヌリア・モリナは、EU加盟国政府やEC委員会はすでに新しい政策である「結果を重視した条件」を実践しはじめているが、IMF、世銀、その他のドナーたちは依然として多くの「条件」を課していると語った。
総じて、北のドナーたちは、「条件」問題は過去の問題であると言って、議題に取り上げるのを避け、もっぱら「援助の効果」に議論を集中させようとしてきた。
これまで、国連の会議ではドナーたちは景気の良い発言を繰り返してきた。なぜなら国連決議は加盟国に拘束力がないからである。しかし、7月のニューヨーク会議、9月のアクラ会議では南の77カ国グループがカイロの準備会議で語られなかったテーマを再提出するであろう。