2010年4月30日
北沢洋子
さる4月14日、米下院は、ハイチの債務を救済するという動議を採択した。これは、1月12日の地震によって、破壊された国の復興を助けるためと言うことで、全員一致で採択された。その後、ホワイトハウスに送られ、大統領の署名をもって法律は発効する。
この米議会の措置は、IMFや他の国際的債権者たちにも影響を与えるだろう。とくに、ハイチの対外債務を救済した後、将来、ハイチにローンでなく、贈与の形で援助するべきだとする点である。
「ハイチ復興法」と名づけられたこの法律は、オバマ政権が、ハイチの復興、とくに電気、道路、水道、下水道、森林回復といったインフラに投資するための「国際信託基金」の設立を支持するよう要求している。米、英、仏、伊、独、日、カナダなどの先進7カ国は、すでに2月はじめにハイチの2国間債務を帳消しすることを公約している。
しかし、これらの債務は、ハイチの債務のほんの僅かでしかない。債権国グループの「パリ・クラブ」によると、2008年9月末、ハイチの債務総額は、18億8,000万ドルであった。
また、米州開発銀行の試算では、ハイチの復興には、140億ドルが必要だと言う。