2008年1月3日
北沢洋子
2007年末、重債務貧困国(HIPCs)41カ国のなかで、24カ国が債務帳消しを受けた。そのなかの11カ国が、「はげたかファンド」の餌食となったことがIMF・世銀の調査によって明らかになった。
はげたかファンドとは、2国間、多国間の公的債務が100%帳消しになった貧困国政府の民間債務を、債権者である民間銀行から叩いて安く買い、新しい債権者として、この債務の返済を、ロンドンやブルッセルの金融法廷に提訴して、債務の名目価格で債務国から返済させる、という悪辣なファンドのことである。
はげたかファンドの訴訟はすでに半分くらいの件数で勝利している。彼らが債務国政府から手に入れた金額は、9億9,100万ドルに上る。この金額は、貧困国政府が債務帳消しで浮いた金額の一部であり、教育、医療保健、その他の社会保障費に充当されるべきものであった。
このようなはげたかファンドの悪辣な活動は、債務帳消しを無効にするもので、ジュビリー・キャンペーンにとっても許し難いものである。
洞爺湖サミットにおいて、はげたかファンドを議題に取り上げ、有効な規制を決定するべきである。
はげたかファンドについては、昨年2月、英領バージン島に籍を置くDongelインターナショナルというはげたかファンドがザンビアの民間債務を債権者から300万ドルで買い、それをロンドンの金融法廷に提訴して、5,500万ドルの巨利を得たといことでドイツのハイリンゲンダムのG8サミット、IMF、世銀、パリ・クラブで問題とされたが、なんら有効な手段が講じられなかった。