2001年3月4日
1)2001年の世界の大きなイベント・カレンダー
3月14~15日 ベルリン、ドイツJubilee主催:FTAP国際ワークショップ
3月30~31日 イタリアTaomina市、G8シェルパ会議
4月6~7日 ブエノスアイレス、第6回FTAA閣僚会議*(後述)
4月20~30日 ワシントン、IMF・世銀の春季会議
4月20~21日 カナダ ケベック市、第3回アメリカ・サミット会議(FTAA)
これは、2005年までに北、中、南アメリカのすべての国を含めた「アメ
リカ自由貿易地域(FTAA)」の実現をめざした協定を締結する会議であ
る。今までの米、カナダ、メキシコ3カ国のNAFTAを全アメリカに広
げるもので、NAFTA協定の10、11条を拡大し、強化しようとしている。
ケベック・サミットに対しては、北米、中南米のすべての市民社会組織
が反対しており、サミットの開催を阻止するために、4月20日にケベッ
ク市で大規模なデモを計画している。カナダ政府は、空前の警察力を動
員して、ケベック市内にネズミ一匹入れないと宣言している。
5月9~11日 ホノルル アジア開発銀行の理事会
NGOの対抗会議、5月9~11日
NGOの連絡先:E-mailadbwatch@lava.net
MLへのアクセスadbwatch-international-subscribe@egroup.com
Web Sitehttp://www..crosswinds.net/~hexis/ADB-Watch.html
5月14~20日 ブリュセル 第3回国連低開発国会議(LDCs)「グローバル・ニューディール」がテーマ
5月14~22日 ジュネーブ、世界保健総会(WHO総会)
5月21~25日 アブジャ、ナイジェリア アフリカ―アメリカ・サミット会議
5月28~31日 ハーグ、腐敗と闘うグローバル・フォーラム
5月29~30日 バレンシア、スペイン、アフリカ開発銀行年次総会
6月3~5日 コスタリカ、米州機構総会(OAS総会)
6月5日 ロンドン、第4回HIPCs閣僚会議
6月14~15日 ストックホルム 米国ーEUサミット
7月21~23日 ジェノバ、G8サミット(7月20~22日という説もある)
イタリアNGO側のE-mailsondege@ge.itline.it
9月30~10月4日 ワシントン、IMF・世銀年次総会
ワシントンのNGO: 50 Years is Enough Network
E-mailwb50years@igc.org
2)HIPCsイニシアティブの失敗
昨年末、HIPCsイニシアティブによる債務削減措置を受けたザンビアが、今年からより以上の債務を返済しなければららないことについて、緊急行動を呼びかけた。
その後、同じく昨年末、駆込み的に、IMF・世銀のHIPCsイニシアティブによる債務削減措置を受けたセネガルが、全く同様な状態に置かれていることが明らかになった。
世銀の内部資料によると、HIPCsイニシアティブを受けたセネガルは、2018年には、今日の返済額よるも大きな債務返済をしなければならない。なぜならセネガルは、債務返済のために新しく借り入れざるをえず、それが3億3,240万ドルにのぼり、しかもこれは今後も増えて行く。
HIPCsイニシアティブによって、セネガルの債務総額は実質額で、25億ドルから、21億ドルに減った。IMF・世銀によれば、これは「持続可能な債務額」であると言う。しかしこれは、セネガルに外国投資が流入するという全く楽観的な観測に基いている。実際には、セネガルへの外国投資は、1993-7年のには5,600万ドルであったが、1998年には、4,000万ドルに減っている。だがIMF・世銀は、セネガルの1998~2008年の外国投資を8,800万ドルと予測している。これは、不可能である。現にStandard & Poor社はセネガルを「GDP1人当り500ドル以下の、最も低開発国」と規定している。
セネガルは、毎年、1億7,500万ドルの債務返済をしている。IMF・世銀にはその4分の1が充てられ、2,190万ドルはアフリカ開発銀行、3,590万ドルがその他の多国間機関向けである。セネガルの債務返済額は、政府の医療予算の3倍である。
世銀はセネガルの“持続可能な債務”を維持するために、向かう8年間に1億4,900万ドルを融資する。これはセネガルの毎年の債務返済をかつかつに可能にするためである。例えば、セネガルは世銀に2,987万ドルを返済するが、一方世銀から今年、1,439万ドルの融資を受ける。
IMFは、セネガルに今後8年間に5,100万ドルの融資をするが、セネガルはIMFに総額1億8,330万ドルを返済する。今年は、IMFは470万ドルのグラントを与えるが、セネガルはIMFに2,600万ドルを返済する。つまり、IMFは世界一の貧しい国から、ネットで2,130万ドルを吸い上げる。